【知る人ぞ知る名作、2006年の金馬奨(台湾のアカデミー賞)最優秀ドキュメンタリー受賞作品がついに日本初公開!】
先住民の少年たちで構成されたサッカーチーム。数々の試合を勝ち抜き、ついに準決勝までたどり着く。中学校3年間の努力の集大成となるこの一戦で、彼らは夢を叶え、全国大会優勝の栄冠を手にすることができるのか?
舞台は台湾の東側、花蓮県の美崙国中学校。焼けた肌に太陽がよく似合う元気いっぱいの少年たちが、まぶしい夏の日差しの中、自分たちの大きな夢に向かって走る。海辺のサッカー場で汗を流し、ボールを追いかける彼らにとって、グラウンドはまさに天国。まだ子供だと侮るなかれ、志は誰よりも高く、夢は「サッカーと一生友だちでいること」。
厳しいトレーニングに耐えるため、彼らは中学校入学初日から、6坪(約20平方メートル)ほどの選手寮で共同生活を送っている。食事も、授業も、入浴も、練習も、すべて一緒。クラスメートというより、まるで兄弟。ケガをすれば励まし合い、勝てば一緒に喜ぶ。そんな家族のような生活から、深い絆が生まれる。でも、夢の中でもボールを蹴るような、まだ幼いところもある。
そして、そんな彼らを導くコーチは、まるで父親のような存在。共に暮らし、サッカーの技術だけでなく、生き方や人としてのあり方までも教えてくれる大切な存在。
青春を情熱で燃やし、夢に向かって全力で走り続ける彼ら。中学校最後の夏、全国大会という運命の舞台で、果たしてどんな奇蹟が彼らを待っているのか?
卒業前、最後の戦い――彼らはこの夏、奇蹟を手に入れる?
監督:楊 力州(ヤン・リージョウ) YANG Li-Chou
1969年台湾生まれ。国立台南芸術大学研究所を卒業して教職に就いた後、90年代後半にドキュメンタリー映画の監督としてデビュー。本作『奇蹟的夏天』は2006年の金馬奨(台湾のアカデミー賞)で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。『台湾、街かどの人形劇』は日本でも公開された。